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高圧洗浄機による洗車のダメージとは?【よくある落とし穴】

  • 執筆者の写真: a-murahama
    a-murahama
  • 7月15日
  • 読了時間: 14分

更新日:9月5日

洗車している様子

高圧洗浄機で車にダメージは出るのか?

高圧洗浄機の使用方法を誤れば、車にダメージが発生する可能性は十分にあります。近年、自宅での洗車手段として高圧洗浄機を導入する人が増えていますが、その一方で「塗装がはがれた」「エンブレムが外れた」などのトラブルも報告されています。 ただし、正しい知識と使い方を身につければ、ダメージを回避しながら効率よく洗車することが可能です。ここでは、高圧洗浄機によって車にダメージが出る原因と、それを防ぐための具体的な方法について詳しく解説します。



車にダメージが出る原因とは

高圧洗浄機による車へのダメージの主な原因は、水圧が強すぎることと噴射の仕方が適切でないことにあります。 とくに家庭用高圧洗浄機の中でも、最大吐出圧力が10MPa(メガパスカル)以上の機種は強力な水流を生み出すため、使用方法によっては塗装面や部品に過剰な圧力をかけてしまいます。国土交通省の自動車点検整備要領書でも、「外装パーツの洗浄には高圧水流を近距離で当てないようにする」と明記されていますまた、古い車や再塗装歴のある車では、塗膜が劣化している場合もあり、高圧水の衝撃で簡単に剥がれてしまうことがあります。細部に入り込んだ水が電装部品に影響を及ぼすケースも報告されており、使用する箇所や車の状態に応じた配慮が必要です。


  1. ノズルを車体に近づけすぎる

    20cm未満の距離で噴射すると、1点に集中して高い圧力がかかり、塗装面やクリア層にダメージを与える恐れがあります。

  2. 同じ場所に長時間噴射する

    特定の部分に数秒以上連続して水流を当てると、塗膜やパーツが熱や振動で浮いたり、剥がれたりする可能性があります。

  3. 脆弱な部分に直接当てる

    エンブレム、サイドミラーの根元、ライト周辺、ゴムパッキン、樹脂パーツなどは剥離や変形のリスクが高く、慎重な操作が求められます。

    このような使い方を避け、安全に使用することで、ダメージリスクを大幅に減らすことができます。

  4. 地面の砂の巻き上げに注意

    高圧洗浄機での洗車は、水圧によって地面の砂を巻き上げることがあるので注意が必要です。巻き上げた砂ぼこりがボディに付着したままクロスなどで拭き上げると、表面にキズがついてしまう恐れがありますので、以下のような対策をとると効果的です。


    ・あらかじめ地面を濡らしておく

    ノズルの角度を調整し、地面に直接噴射しない

    ・下から上ではなく、上から下に洗い流す


    そうすることで、水圧で砂ぼこりを巻き上げる可能性は低くなります。

    また、足回りにも砂やホコリが付着しているので、上記の対策と足回りの洗浄をセットで行なっておくと効率的に作業が進みます。

    高圧洗浄機での洗車時には事前に対策を施して、地面からの砂の巻き上げを防ぎましょう。


  • 水圧は7〜10MPa程度が目安 車の洗浄には、家庭用の中でも中圧クラスが適しています。メーカーによっては洗車向けの低圧モードを搭載している機種もあるため、それを活用するのが安全です。

  • ノズルとの距離は30cm以上 基本的には30〜50cmの距離を保ち、ワイドなスプレー角で洗浄するのがベストです。集中ノズルではなく、扇形の広角ノズルを使用しましょう。

  • 噴射角度は15〜45度を目安に斜めから当てる 直角に当てると一点に負荷が集中するため、必ず斜めから当てて流すように意識することで、塗装面への衝撃をやわらげられます。

これらの基準を守ることで、車にダメージを与えずに高圧洗浄機を活用することができ、安心してセルフ洗車を楽しめます。



高圧洗浄機で車を洗う際の注意点

リアガラスの洗浄

高圧洗浄機は、使い方を誤ると車に思わぬダメージを与えることがあります。とくに、洗車に不向きな部位に直接水圧を当ててしまうと、塗装の剥がれやパーツの破損、さらには電装系のトラブルに繋がることもあります。洗車前には、事前に注意点をしっかり把握し、車の状態や使用環境にも配慮することが大切です。


ダメージを防ぐために避ける部位

高圧洗浄機を使用する際には、次のような部位には水流を直接当てない、もしくは十分に距離を取る必要があります。


  • エンブレムやステッカー 

    強い水圧を受けると、両面テープや接着剤が剥がれ、エンブレムが外れたり浮いたりする可能性があります。

  • サイドミラーやドアノブの根元

    可動部分は構造上の隙間があり、内部に水が侵入することで可動不良やサビの原因になります。

  • フロントグリルやヘッドライト周辺

    これらの部位には電装パーツが集中しており、水が入り込むとショートや故障につながる恐れがあります。

  • ゴムモールや樹脂パーツ

    経年劣化しているゴムモールは裂けやすく、高圧水が裂け目を広げてしまうことも。樹脂パーツも変形・脱落するケースがあります。

こうした部位には極力水流を当てず、洗車スポンジや低圧の流水で優しく洗う方法を推奨します。



洗車前にチェックすべき車の状態

車のコンディションを事前に確認することで、高圧洗浄機によるダメージを防ぐことができます。とくに以下の点に注意してください。

  • 塗装面に剥がれやひび割れがないか 経年劣化により塗装の密着力が低下していると、高圧水で簡単に剥離する恐れがあります。心配な場合は、その部分だけスポンジ洗浄に切り替えましょう。

  • タイヤやホイール周りの異常 泥詰まりや破損している箇所があると、水圧で破片が飛散するなどの危険が伴います。

  • 再塗装や補修歴のあるパネル 純正塗装よりも剥がれやすい傾向があるため、使用時は圧力を下げるか、広角ノズルで距離を保って洗浄するのが無難です。

こうした点を把握することで、車の状態に適した安全な洗車を行うことができます。



炎天下や劣化パーツへの使用はNG

高圧洗浄機による洗車は、使用環境によってもリスクが高まります。特に以下のような状況での使用は避けるべきです。

  • 炎天下や高温時の洗車

    直射日光の下では塗装面やガラスが高温になっており、水をかけた瞬間に急激な温度差が生じて、ひび割れやウォータースポットの原因になります。また、乾燥が早いため、洗剤や水分が跡として残りやすく、かえって汚れたように見えることもあります。

  • 経年劣化した外装パーツへの使用

    古い車両やパーツが劣化した車では、素材がもろくなっている場合があります。特にゴム部品や経年で硬化した塗膜は、水圧で一気に損傷する危険があります。

高圧洗浄機を使う際は、なるべく曇りの日や早朝・夕方の涼しい時間帯を選び、気温や日差しの状況を見て判断するようにしましょう。事前にボディの状態をチェックし、必要に応じて部分的に手洗いに切り替える判断も重要です。



車に優しい高圧洗浄機の使い方

洗車途中

高圧洗浄機は正しく使えば、車にダメージを与えず、効率的かつ衛生的に洗車を行える便利なツールです。ただし、安全に使うには洗車の順序や道具の選び方、作業方法にも工夫が必要です。ここでは、車を傷めずに美しく保つための洗車手順と、ポイントごとの使い方のコツを解説します。


足回りから洗い始める理由

洗車をする際は、まず「タイヤ・ホイール・フェンダー」など足回りの汚れを最初に落とすのが基本です。なぜなら、これらの箇所は泥・砂・ブレーキダストなどの固形物や油分が非常に多く、ボディ部分と同じスポンジやクロスで後から洗うと、ボディに傷がつく原因になるからです。

また、足回りは高圧洗浄機の強い水圧を有効に活かせる箇所でもあります。とくにホイールの裏やタイヤハウス内の汚れは、通常の水では落としにくいため、高圧噴射で先に落としておくことで、全体の洗車効率も上がります。

高圧ノズルは30〜40cm程度の距離を保ち、タイヤ1本あたり2〜3周ほど円を描くように当てると、砂や泥がしっかりと除去できます。


上から下へ洗う基本の流れ

ボディを洗う順番は「上から下へ」が鉄則です。車の上部(ルーフや窓まわり)には汚れが少なく、下部(ドア下・バンパー・サイドスカート)にいくほど泥や油が溜まりやすいため、下から洗うとスポンジや水が再び上部を汚してしまい、二度手間になります。

洗車の基本的な流れは以下の通りです。

  1. ルーフ(屋根)

  2. フロントガラス・ボンネット・トランク

  3. ドアまわり・サイドパネル

  4. バンパー・サイドステップ

それぞれのエリアを高圧洗浄機で一気に流すのではなく、エリアごとに洗剤やスポンジを併用して段階的に洗っていくと、ムラなく綺麗に仕上がります。ノズルは必ず斜め方向から当てて、汚れを「下へ流す」意識を持つことが大切です。


カーシャンプーと拭き取りのポイント

高圧洗浄機は水だけである程度の汚れを落とせますが、油分や細かなホコリをしっかり除去するには「カーシャンプー」の使用が不可欠です。洗浄機に洗剤対応のフォームノズルがある場合は、これを使って泡立てながら塗布すると洗浄効果が高まります。

カーシャンプーの使い方のコツは以下の通りです。

  • 中性タイプのカーシャンプーを選ぶ(コーティングへの影響が少ない)

  • 洗浄機の圧力を落とすか、別容器で泡立てて手作業で塗布

  • スポンジやマイクロファイバークロスを使って優しく洗う

洗い終わった後は、高圧洗浄機で泡を丁寧に洗い流しますが、残った水滴をそのまま放置すると水アカやシミの原因になるため、拭き取り作業も重要です。拭き取りには吸水性の高いクロスやワイパーを使い、風の当たる場所でしっかり乾かすのが理想です。

高圧洗浄機の「洗浄力」と「時短効果」を活かしながら、車にやさしい順序と方法で洗車することで、塗装やパーツへの負担を減らし、美しい外観を長く保てます。



高圧洗浄機による車ダメージを防ぐ選び方

洗車を待っている車

車を安全に洗車するには、洗浄機本体の性能や仕様選びが非常に重要です。高圧洗浄機は機種によって水圧・機能・付属ノズルなどが異なり、家庭用であっても車に適さないタイプを使うと、塗装や部品に大きなダメージを与えてしまうことがあります。ここでは「車に優しい高圧洗浄機」を選ぶための判断基準を3つに分けて解説します。


水圧とノズルの選び方

車の洗車用途においては、水圧は7〜10MPa(メガパスカル)程度が推奨されます。これは強すぎず弱すぎず、泥やホコリをしっかり落としつつ、塗装やパーツへの負担が少ない範囲です。製品選びの際は、スペック欄に記載されている「常用吐出圧力」「最大吐出圧力」の数字を確認しましょう。

ノズルの種類も重要です。以下のようなノズルが車には適しています。

  • 扇形ノズル(広角)

    広範囲にやさしく水を当てられ、局所的な圧力集中を防げる

  • 可変ノズル

    圧力調整が手元でできるため、状況に応じた柔軟な使い方が可能

  • フォームノズル(洗剤用)

    カーシャンプーを泡状にして塗布でき、洗浄力と塗装保護の両立が図れる

ノズルを変えることで、水圧の印象や使いやすさは大きく変わるため、付属品の充実度も選定時のチェックポイントです。


給水方法・洗剤対応・静音性も確認

洗車環境や使用頻度によっても選ぶべき機種は異なります。以下のような機能や性能にも注意しましょう。

  • 給水方法の確認

    バケツやタンクから吸水可能なタイプであれば、水道がない場所でも使えます。特にマンション住まいや屋外洗車に対応しやすいです。

  • 洗剤対応の有無

    カーシャンプーを本体に直接セットできる機種や、専用のフォームガンに対応しているものは、手洗いの工程を減らしながら高い洗浄効果が得られます。

  • 静音性(騒音レベル)

    都市部や住宅街では、作動音が近隣トラブルの原因になることもあります。「低騒音タイプ」「静音モデル」と記載されている機種で、60〜70dB以下を目安に選ぶと安心です。

こうした補助的な機能も、日常的に洗車を行う上では大きな快適性と安全性につながります。


車に適さない高圧洗浄機とは

車の洗車に不向きな洗浄機の例としては、以下のような特徴を持つ製品が挙げられます。


  • 工業用・業務用の高出力モデル

    最大吐出圧力が15MPa以上のものは、外壁洗浄や農機具・工場機械の洗浄用として設計されており、車の塗装や樹脂パーツに対しては強すぎる可能性があります。

  • 水流調整ができない単一ノズルタイプ

    ノズルの交換や噴射幅の調整ができない機種では、部位ごとの適切な洗浄が難しく、局所的なダメージを引き起こしやすくなります。

  • 安価な非ブランド製品で安全設計が不明瞭なもの

    製品基準や保護機能が不十分な格安品では、水圧の安定性や本体の耐久性が信頼できず、誤作動や故障により事故につながるリスクも否めません。

安全に、そして長く使うためには「洗車用途に最適化されていること」「使用者が調整可能であること」が重要です。価格だけで判断せず、スペックと使用目的を照らし合わせたうえで適切な1台を選びましょう。



高圧洗浄機で車に傷がついたときの対処法

車内

高圧洗浄機の使用中に万が一、車に傷がついてしまった場合でも、早めに適切な対処を行えば大きなダメージに発展することは防げます。塗装面の浅い傷であればDIYでの応急処置も可能ですが、原因を正しく把握しなければ、再び同じミスを繰り返すことにもなりかねません。この章では、傷の見分け方と応急処置の方法、再発防止のための使い方、そして専門家に相談すべきケースについて解説します。


傷の確認ポイントと応急処置

まず、傷ができてしまったかどうかを確認するには、以下のようなチェックポイントを押さえておきましょう。


  • 光に反射させて目視で確認

    洗車後に車体を乾かし、蛍光灯や太陽光に反射させて斜めからチェックすることで、表面の細かいスリ傷が見えやすくなります。

  • 爪が引っかかるかを試す

    浅い傷であれば、爪を滑らせても引っかかりません。爪が引っかかるようであれば、クリア層または塗装まで到達している可能性があります。

  • 水をかけて目立たなくなるか

    一時的に傷が目立たなくなる場合は、表面だけの微細なスリ傷であることが多く、研磨やワックスで対応できます。

応急処置としては、傷の深さに応じて以下の方法が有効です。

  • 浅いスリ傷の場合:コンパウンド入りの傷消し剤で磨く

  • 中程度の傷の場合:タッチアップペンや簡易補修剤で保護

  • 深い傷・サビを伴う場合:早めに板金業者への相談が必要

応急処置を怠ると、塗装下の金属部が酸化し、サビや腐食が進行することもありますので注意が必要です。


再発防止のために見直すべき使い方

傷の再発を防ぐには、使用方法の見直しが欠かせません。以下のような点に注意して、高圧洗浄機を安全に活用しましょう。

  • ノズルとの距離を確保する(30cm以上)

    距離が近すぎると水圧が集中し、塗装や部品に負荷がかかります。

  • 噴射角度を斜めに保つ

    垂直に当てると一点に圧力がかかりやすいため、必ず斜めから当てて洗い流すようにします。

  • 適正な水圧に設定する

    圧力の調整ができる機種であれば、低圧モードや車用設定を選び、パーツにやさしい洗浄を心がけましょう。

  • 慎重に洗う部位を選ぶ

    ミラーの根元やエンブレム、ゴムモールなどは傷や剥がれのリスクが高いため、スポンジや低圧洗浄に切り替える判断も必要です。

毎回の洗車で適切な方法を意識することで、愛車の外観を長く美しく保てるようになります。


どうしても不安ならプロに相談も検討

もし傷の深さや修復可否の判断に迷ったり、ダメージが広範囲にわたっている場合は、無理に自己処理をせず、プロの業者に相談することをおすすめします。カーコーティング店や板金塗装業者では、状態に応じて最適な修復方法を提案してくれます。

また、信頼できる専門業者であれば、高圧洗浄機での安全な洗車方法や、おすすめの機種についてアドバイスを受けられることもあります。特に新車やコーティング施工車を所有している場合には、施工保証が無効になるリスクもあるため、専門家の意見を聞くのが安心です。

洗車はあくまでも「車を大切にするための行為」です。過剰な自己流で愛車にダメージを与えないためにも、疑問があれば早めの相談を心がけましょう。



***よくあるご質問***

高圧洗浄機を使った洗車に関しては、疑問や不安の声も多く寄せられます。ここでは、「本当に車を洗って大丈夫なのか?」「やってはいけない使い方はあるのか?」という点について詳しく解説します。


高圧洗浄機で車は洗える??

高圧洗浄機で車を洗うことは可能です。実際、国内外の洗車場や整備工場でも高圧洗浄機は広く使われており、家庭用モデルでも正しく使えば安全に洗車ができます。

高圧洗浄機のメリットとしては以下の点が挙げられます:


  • こすらずに泥やホコリを落とせるため、傷がつきにくい

  • 洗車時間を短縮できる

  • 節水効果がある(ホースよりも水使用量が少ない)


ただし、機器の水圧やノズルの使い方を誤ると、塗装の剥がれや細部の破損など車体に悪影響を与えるリスクもあります。したがって、「洗えるかどうか」よりも「どう洗うか」が重要です。


高圧洗浄機でやってはいけないことは?


高圧洗浄機を使用する際にやってはいけない行為は、車を守るために必ず押さえておくべきポイントです。以下のような使い方は避けましょう。


  • ノズルを近づけすぎる(20cm未満)

    水圧が集中しすぎて、塗装や部品が損傷する原因になります。

  • 直角で噴射する

    塗装やステッカーに対して垂直に当てると、剥がれやすくなります。必ず斜め方向から当てるようにしてください。

  • 樹脂部やエンブレムに直接噴射する

    外れたり変形することがあるため、こうした部位はスポンジなどで優しく手洗いが基本です。

  • 炎天下や高温時に使用する

    塗装面の急激な温度変化によってヒビや水ジミが生じやすくなります。

  • 水圧調整機能がないまま使用する

    適正水圧を守れない製品は、車に不向きな場合があります。


正しい知識と配慮を持って使用すれば、高圧洗浄機は非常に便利で効率的な洗車アイテムです。安全に使いこなすためにも、使用前の確認と、車に合った設定を忘れずに行いましょう。


 
 
 

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